鴨スキは、鷹狩に出かけた際、農機具の鋤の上で捕った鴨を食したことから始まりました。狩りに出かけるときは腰に鉄板を下げて歩いたといいますから、さぞ重かったことでしょう。行徳にも鴨鋤専門店がありましたが、現在はありません。
受け皿にタレを入れて、鴨肉をつけて頂きます |
新橋鋭意部情の前にあった料亭「武蔵野」 |
戦後、新橋演舞場前にあった料亭「武蔵野」。現在は銀座武蔵野ビルとして、オフィスビルとなっています。この武蔵野には、「鴨スキ」が大好きな客がいました。それがコスモ石油(元大協石油)の創始者です。炭火に鋤に見立てた鉄板を乗せ、出汁のきいたタレをつけて頂く。写真は盆の上に炭火の小さな七輪が乗せていますが、実際はお盆の外に出し、仲居さんが鴨肉を焼いて提供していました。当時の鴨肉はとてもやわらかく、現在の鴨肉にはおよばない絶品でした。