2014年8月22日金曜日

高級料亭の鴨スキ

鷹匠は、鷹を飼育し狩りができるまで育て上げるだけでなく、鷹主である天皇や将軍が捕った獲物を料理し提供するまでの仕事をします。

鴨スキは、鷹狩に出かけた際、農機具の鋤の上で捕った鴨を食したことから始まりました。狩りに出かけるときは腰に鉄板を下げて歩いたといいますから、さぞ重かったことでしょう。行徳にも鴨鋤専門店がありましたが、現在はありません。

受け皿にタレを入れて、鴨肉をつけて頂きます

新橋鋭意部情の前にあった料亭「武蔵野」

戦後、新橋演舞場前にあった料亭「武蔵野」。現在は銀座武蔵野ビルとして、オフィスビルとなっています。この武蔵野には、「鴨スキ」が大好きな客がいました。それがコスモ石油(元大協石油)の創始者です。炭火に鋤に見立てた鉄板を乗せ、出汁のきいたタレをつけて頂く。写真は盆の上に炭火の小さな七輪が乗せていますが、実際はお盆の外に出し、仲居さんが鴨肉を焼いて提供していました。当時の鴨肉はとてもやわらかく、現在の鴨肉にはおよばない絶品でした。